COLUMN | 制度・手続き

精神障害者保健福祉手帳とは?受けられる支援と申請の流れ

公開日:訪問看護ステーションめぐみ

「精神障害者保健福祉手帳って、どんなもの?」「持つと何が変わるの?」。こころの病気で通院している方やご家族から、よく聞かれる手帳について、厚生労働省や東京都などの公的な情報をもとに、やさしくまとめました。

この記事のポイント
  • 精神障害者保健福祉手帳は、一定程度の精神障害の状態にあることを認定するものです
  • 等級は1級から3級まであり、税金の控除や、地域・事業者による割引などの支援があります
  • 申請は、お住まいの区市町村の窓口で行います。ご家族などが手続きを代わりに行うこともできます
  • 有効期間は原則2年で、更新は有効期限の3か月前からできます

精神障害者保健福祉手帳とは

厚生労働省の案内では、精神障害者保健福祉手帳は「一定程度の精神障害の状態にあることを認定するもの」とされています。精神障害のある方の自立と社会参加を進めるため、手帳を持っている方には、さまざまな支援が用意されています。

等級は1級から3級まであります。等級は、精神疾患の状態と、日常生活や社会生活にどのくらい制限があるかの両面から、総合的に判断されます。

対象になる方

国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」では、てんかんや発達障害なども含めた何らかの精神障害により、長いあいだ日常生活や社会生活に制約がある方が対象とされています。知的障害だけがある方は、療育手帳(東京都では「愛の手帳」)の制度があるため、この手帳の対象にはなりません。

手帳を受けるには、その精神障害で初めて診察を受けた日(初診日)から6か月以上たっていることが必要です。東京都の案内では、入院しているか在宅かの区別や、年齢の制限はないとされています。

どの等級になるか、手帳が交付されるかどうかは、申請のあとの審査で決まります。

手帳で受けられる支援

「こころの情報サイト」では、手帳で受けられる支援として、次のようなものが紹介されています。

全国で共通の支援

所得税・住民税の控除、NHK受信料の減免、生活福祉資金の貸付などがあります。会社に障害者雇用として雇われるときに、障害者雇用率の対象として数えられます。

地域や事業者によって行われている支援

鉄道・バス・タクシーなどの運賃割引、携帯電話料金の割引、公共施設の入場料の割引、公営住宅への優先入居などがあります。内容は地域や事業者によって違います。

東京都の例:都営交通乗車証

東京都の案内では、手帳をお持ちの方は、都営交通乗車証の発行を受けると、都電・都営バス・都営地下鉄・日暮里・舎人ライナーに無料で乗れるとされています(シルバーパスなどを持っている方は対象外)。

また、「こころの情報サイト」では、手帳を持つことで不利益が生じることはなく、障害が軽くなれば、手帳を返したり、更新しなかったりすることもできるとされています。

申請の方法

申請の窓口は、お住まいの区市町村です。東京都の案内では、申請はご本人が行うのが原則ですが、ご本人の意思にもとづいて、ご家族などが手続きを代わりに行うこともできるとされています。

主に必要なもの(東京都の場合)

  • 申請書(区市町村の窓口にあります。マイナンバーの記入が必要です)
  • 指定の診断書(初診日から6か月たった日以後に作成されたもので、作成日から3か月以内に申請します)
    ※精神障害で障害年金などを受けている方は、診断書の代わりに年金の情報で申請する方法もあります
  • ご本人の写真(縦4cm×横3cm、申請前1年以内に撮影したもの)
  • マイナンバーカードなど、マイナンバーとご本人を確認できるもの

東京都では、手帳の形を紙かカードから選べます。東京都立中部総合精神保健福祉センターの案内では、申請してから結果を受け取るまでに、紙の手帳で2か月程度、カードの手帳で2か月半程度かかるとされています。くわしい持ち物は、お住まいの区市町村の窓口でご確認ください。

有効期間と更新

手帳の有効期間は、原則2年です。引き続き手帳を使うには、2年ごとに更新の手続きが必要です。更新は、有効期限の3か月前から申請できます。審査に時間がかかるため、早めに手続きをするよう案内されています。

なお、東京都の案内では、更新の審査の結果、等級が変わったり、手帳が交付されなかったりすることもあるとされています。

自立支援医療との関係

通院の医療費の自己負担を軽くする「自立支援医療(精神通院医療)」と、この手帳は、別の制度です。「こころの情報サイト」では、自立支援医療や障害福祉サービスは、手帳がなくても受けられるとされています。

東京都の案内では、手帳と自立支援医療を同時に申請する場合は、手帳用の診断書だけで申請できるとされています(年金の情報で申請する場合は、同時申請はできません)。

めぐみは東京都の指定自立支援医療機関(精神通院医療)で、自立支援医療の申請や変更の手続きをお手伝いしています。制度のしくみは費用・自立支援医療についてや、コラム「受給者証に訪問看護ステーションを追加するには?」をご覧ください。

まとめ

精神障害者保健福祉手帳は、こころの病気を抱えながら暮らす方が、さまざまな支援を受けやすくするための手帳です。申請はお住まいの区市町村の窓口で行い、ご家族などが代わりに手続きをすることもできます。手帳を持つかどうかは、ご本人が決めることです。分からないことは、区市町村の窓口や主治医に相談してみてください。

参考にした公的情報

2026年10月29日時点の情報です。制度の内容は変わることがあるため、最新の情報は各機関のページでご確認ください。

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